会社は従業員に働いてもらわなければ成長しません。そのため、人事や労務は、どの会社にとっても手堅く運用していきたい部門であることに間違いはありません。
しかしながら、労務部門で専門の人員を採用するとなると、人件費に法定福利費の負担が会社に重くのしかかります。
他方、人事や労務の重要性からすれば、パートタイマーのような非正規雇用の従業員に任せるのも難しいといえます。
また、人事、労務の分野で新たな制度設計をすると、労働条件の不利益変更の問題が常に発生します。特に、従前の制度にあぐらをかいていたような人員からの反発や法的な問題の提起もしばしば起こりうるところです。
そこで、労務人事の部門、特にトラブルにつながりかねない部門については、弁護士にアウトソーシングをしてしまうのもよい方法です。また、パワハラやセクハラ、SNSの利用などについての社内研修を弁護士に依頼することで社内のコンプライアンス体制を高めることも可能となります。
さらに、会社の顧問弁護士であれば、会社がどのような方向に進んでいこうとしているのか、社長の理念はどこにあるのかを日常的に把握しながら、相談に応じることができます。
極端な例を挙げれば、私は、経営者が弁護士に人事労務の愚痴を言うことも、人事労務部門の強化につながると確信しております。
というのも、人を雇う、使うというのはともすればストレスフルなことです。しかし、経営者が会社内で従業員についての愚痴を言うわけにはいきません。勤務態度の良くない従業員がいたとしても、突発的に怒鳴りつけるのも避けなければなりません。
そんなとき、顧問弁護士であれば、人事労務についての相談ともいえないような打ち合わせに応じることが可能です。また、そのような打ち合わせを行うことで、経営者と弁護士で人事労務の問題や悩みを共有し、人事労務部門の強化をしていきましょう。